加入が強制されている自賠責保険とはどのような保険なのか?

交通事故に大きく関係するのが自動車保険ですが、これには2つの保険があることを覚えておかなければいけません。まず1つは自動車の所有者が法律で加入を義務付けられている自賠責保険で、これは別名で強制保険とも言われています。もう一つの保険は、加入が本人の自由意志に任されている任意保険です。今ではこの二つが自動車保険と呼ばれているのです。この二つの保険の関係がどうなっているかと言いますと、交通事故での損害賠償はまず自賠責保険で補償され、それで足らない場合は任費保険が支払われる、というふうに考えるといいのではないでしょうか。

加害者に資力がなくても自賠責保険から賠償金が支払われる

交通事故を起こしても加害者側に被害者に対する損害賠償のための資力がなければ支払うことができません。こうした場合でも被害者に損害賠償が支払われるようにするために設けられているのが自賠責保険です。したがって自賠責保険の目的と内容は次のようになります。

自賠責保険の目的と内容

①自動車の運行により他人を死傷させた場合にその損害を加害者に確実に支払わせるためのもの。
②支払限度額は被害者1人ごとに定められており、被害者が複数の場合はそれぞれに対して限度額以内で支払われる。
③自賠責保険の保険金は傷害事故が120万円、死亡事故3,000万円、後遺障害は3,000万円が限度となっています
。④自賠責保険は自動車運転に関わる者は法律で加盟が義務付けられており、違反すると6ヶ月以下の懲役が5万円以下の罰金に処されます。

加害者に過失が全くない場合は自賠責保健は支払われない

自賠責保険はすべての交通事故被害者に対して支払われるものではなく、たとえ交通事故で死傷したとしても、自賠責がまったく支払われないこともあります。こうした場合は「無責」といって加害者にまったく責任がない場合です。しかしそうした場合でも、本当に加害者には少しの過失もなかったのでしょうか。これについては被害者と加害者の間で、事実かどうかについてしばしば食い違いが起ります。ましてや被害者が亡くなっていたり、重症で証言ができない場合には、証言ができる加害者の言い分ばかりが通り、その結果加害者有利にことが運ぶのです。したがって加害者にもいくらかの過失があった場合でも「責任がない」とされてしまうのです。

自賠責は加害者有利だが加害者の一方的な証言は覆される場合も 上でも書きましたが、被害者が死亡したり重症で証言ができない場合は、加害者の証言だけが一方的にとり入れれられて自賠責の損害賠償が加害者有利になりやすいのは事実です。でもそうした加害者側の一方的な証言をくつがえした判決も過去にはありました。それは関東地方で起きた、交差点での出合い頭の死亡事故です。この事故では警察や損保会社が「赤信号を無視したのは被害者の方」として、被害者の10割過失として被害者の家族には自賠責保険を支払いませんでした。しかし裁判では裁判官は遺族側証人の証言を採用し、加害者と被害者の過失の割合を7対3として被害者側に700万円の損害賠償を命じています。このようにたとえ被害者が証言できない場合でも、被害者側がしっかり闘えば、必ずしも加害者だけに有利に働くとは限らないこともあるのです。

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