交通事故の賠償問題はどのように解決したらいいのか?

このところ減少傾向にある交通事故ですが依然として人身事故は多く、例えば2012年だけを見ても死者数は4,411人を記録しています。全体としては減少傾向にあるのですが、高齢者の事故は逆に増えていますから喜んでばかりはいられません。事故が起ると必然的に発生するのが、それに対する損害賠償請求です。これで注目すべきは実に98%以上が示談交渉で解決していることです。つまり100件交通事故が起ると、98件は示談による話し合いで解決しているのです。ということは残り2%だけが、示談で解決できず調停や裁判に持ち込まれているということになります。この数字だけを見ますと、交通事故の損害賠償は比較的円満に解決していることが多いように見えます。でも本当にそうなのでしょうか。ズバリ言えば決してそうではありません。比較的解決率が高い示談によるものでも、被害者が不満のまま無理やりに解決に持ち込まれたケースが実に多いのです。

示談での解決では被害者が納得いかない場合もでてくる

交通事故損害賠償では98%が示談交渉で解決していることについては上でも書きました。確かに98%とは100%に2%足らないだけですから高い率に違いありません。でも注目すべきは被害者の満足度ではないでしょうか。交通事故の98%もが示談で解決していると聞けば、多くの人がその解決方法に満足しているようにも感じます。でも実際はそうではなく、被害者の多くが解決後も不満を抱いているのです。これはいったい何故なのでしょうか。それは被害者と加害者の交渉での力関係にあります。つまり被害者側のほとんどは当事者が交渉に当たるのに対して、加害者側は代理人である保険会社の担当者が当たるのです。したがって被害者が交渉のアマチュアであるのに対して、加害者側の担当者は交渉のプロと言ってよく、これでは被害者がいいように丸め込まれてしまうのは目に見えています。したがって損害賠償交渉が解決しても被害者に不満が残るのは、このためなのです。

調停や裁判に持ち込まれるケースは少ない

交通事故の損害賠償では示談交渉での解決が圧倒的に多く、調停や裁判によるものは微々たるものです。実際にその数字を見てみますと調停が全体の0.5~0.6%で裁判が0.8%程度ですから、両方併せても1.3~1.5%でしかありません。率としてはこれほど少ないのですが実際の件数で見てみると、簡易裁判所の調停だけでも全国では1年間に4000件程度あります。したがって数字としてはある程度まとまっているとも言えます。ではこれらのうち解決したものはと言いますと全体の60%弱でしかありません。また不成立に終わったものは26%にも及んでいます。では調停で不成立に終わったものが、その後裁判にもっていかれるかと言いますと、必ずしもそうでもなくケースバイケースのようです。

裁判になったとしても途中で和解するケースもある

交通事故で裁判になるのは1年に1万件前後あるようです。数はともかく、裁判と言っても必ずしも判決によって決着がつく訳ではありません。判決によって解決するのは全体の半分もなく、それ以上に多いのが裁判官が中に立って加害者と被害者の話し合いによって妥協する和解によるものです。これが全体の50%近くにも達しています。その他は裁判ではなく調停で解決されたり、中途で訴訟を取り下げたりするケースが10%以上に上っています。このように示談で損害賠償交渉がまとまらずに裁判で争ったとしても、必ずしも被害者の思い通りの判決が出て賠償金が支払われるものでもないことを、よく覚えておく必要があります。要するに交通事故裁判では、判決より和解で解決することの方が圧倒的に多いのです。

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